湯シャンを実践する上で「頭皮のニオイ」を心配する人が多いようです。
そこで湯シャン実践時のニオイ対策を考えてみました。
2種類の頭皮のニオイ
湯シャンを実践する上でネックとなるのが、「頭皮が臭うのでは?」という懸念です。
「実際に湯シャンを実践したけれども、自分の頭皮のニオイに耐えられなかった」という意見もネット上で散見されます。
確かに頭皮は臭うものです。
頭のニオイは主に2種類に分類できます。
一つは、髪の毛が周囲のニオイを吸い込んで発生する「頭髪臭」。
もう一つは、皮膚炎やフケ、皮脂などが原因で発生する「頭皮臭」。
頭のニオイについて考える時には、この2つの分類を念頭に置いておくことが重要です。
湯シャン実践時の7つのニオイ対策
私自身の頭皮のニオイの問題はホットタブが解決してくれていますが、今回はホットタブを使用しない対処法を考えてみました。
1 シャンプーの回数を減らす
皮肉ですがシャンプーのし過ぎが頭のニオイの原因になっている可能性があります。
一つにはシャンプーの殺菌作用によって、人の皮膚に有益な表皮ブドウ菌などが除去されて、代わりにニオイを発生させる菌が増えてしまっている可能性があるからです。
さらに皮脂が酸化することでもニオイは発生しますが、シャンプーはこの皮脂由来のニオイも増加させているかもしれません。シャンプーの洗浄作用で皮脂が過剰に除去される分を補おうと、かえって皮脂が多く分泌されるようになるからです。
実際に私はシャンプーを使用していたときの方が、頭皮のニオイはキツく感じられました。シャンプー後にはニオイはしませんでしたが、まる1日経って皮脂が分泌されてくるとかなり臭っていたのです。
そうなると、まさしくシャンプーをやめて湯シャンをすることが対処法になるわけですが、シャンプーをやめても皮脂の分泌量はすぐには減りません。
『シャンプーをやめると、髪が増える』の宇津木先生によれば、湯シャンを始めて4〜5ヶ月で皮脂量は減ってくるようですが、それまでに我慢できずに湯シャンを断念してしまう人も多いようです。
そこで、シャンプーを使用するのをいきなりゼロにするのではなく、徐々にシャンプーの使用回数を減らしていくことが対処法となります。
現在ではほとんどの人が毎日シャンプーしているだろうと思いますが、これを2〜3日に一回の使用にしてみるのです。一説によれば1日1回のシャンプーでも洗い過ぎの部類に入るそうです。
お湯のみでの洗髪でも、汚れは十分落ちるので、シャンプーをしない日はこれで済ませます。
「ちょっとニオイってきたな」と思ったら、シャンプーをして、また気になるまで湯シャンを続けるということを繰り返していけば、徐々に皮脂量も減ってくるはずです。
2 朝シャンをしない
これは頭髪臭を抑える対策です。
というのも髪は生乾きのほうがニオイを吸収しやすくなるからです。
朝シャンをすると、どうしても髪の乾燥は十分には行えません。
かと言って、ドライヤーで強力に乾かすのも髪にダメージを与えてしまいます。
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3 丁寧にブラッシングをする
丁寧なブラッシングは湯シャンにする上で重要ですが、頭髪臭と頭皮臭の両方を防ぐ対策にもなります。
ブラッシングによって頭皮に分泌された皮脂が髪に行き渡り、髪の表面をコーディングして、摩擦や水分の蒸発で髪が傷むことを防いでくれます。
髪の表面(キューティクル)が傷つくと、そこから周りのニオイを吸収しやすくなるので、髪を皮脂でコーディングすることは頭髪臭を抑える効果もあるのです。
また、皮脂を髪に行き渡らせることは、頭皮上の皮脂量を減らすことにもなるので、皮脂による頭皮臭を抑制することにもつながります。
4 食べ物に気を使う
頭皮臭も体臭の一種だと言えますが、体臭は元をたどれば腸内環境に行き着きます。
腸内細菌が腐敗臭を作りやすい食事内容だと、腸内の腐敗臭がまわり回って、皮膚から排出されてしまうのです。
ですから、食事内容を見直すことで体臭の一部である頭皮臭の改善も可能になります。
基本的には腸内環境にいい食事を心がけることです。
肉類はいわゆる悪玉菌を活性化させて、腐敗臭を出すので、肉類に偏った食事は避けるべきでしょう。
食物繊維は腸内を掃除して腸内環境を整えてくれるので、食物繊維の多い食品(海藻類、豆類、根菜類など)を摂取することも重要です。
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食物繊維は抗酸化力の強い腸内細菌のエサにもなるので、老化防止の点でも有効です。
また、脂漏性皮膚炎がひどい場合には強いニオイが発生することもありますが、オメガ3脂肪酸を摂取することで、脂漏性皮膚炎を改善することができます。
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5 精油を使う
「シャンプーをすると髪がいいニオイになるから」という理由でシャンプーをする人も多いと思います。
シャンプーやコンディショナーのニオイは多くの場合、合成香料によるものです。
天然の香料である精油(エッセンシャルオイル)を使用することで、同じような効果を得ることができます。
ブラッシング前に好みの精油を1滴手になじませて、髪全体に行き渡らせて、さらにブラッシングすることで、精油の香りを髪全体になじませることができます。
ただし、天然の香料と言っても、精油は皮膚の刺激になる場合があるので、頭皮にはつけないようにすることや、刺激があるようなら中止することなど、注意が必要です。
香料が皮膚の刺激物になるという点はシャンプーに含まれる合成香料も同じです。
6 短髪にする
髪を短くすることで、頭髪臭を抑えることができます。
髪が長ければ長いほど、髪の表面積は大きくなるので、それだけ周りのニオイを吸収する面積も大きくなるからです。
ロングヘアーの女性の髪の表面積は、体の表面積に匹敵すると言われています。それだけあれば、周りのニオイを吸収してしてしまうのも納得できます。
たとえば髪の長さが半分になる髪型にすれば、表面積も半分になり、単純に考えても頭髪臭は半分に抑えられます。
また、髪が短くなると髪の間の風通りがよくなり、髪と頭皮の間にこもる空気の量も減るので、頭皮のニオイもこもりにくくなります。
7 ニオイに慣れる
究極のニオイ対策は、自分で自分の頭皮のニオイに慣れてしまうというものです。
慣れてしまえば気にならなくなり、もはや問題ではありません。
乱暴な方法だと思われかも知れませんが、ニオイの感覚は相対的なもので、いい悪いの絶対的な基準はありません。
ニオイの好き嫌いは人によってことなりますし、同じニオイでも濃度によって感じ方は変わります。
妊婦の方がニオイに敏感になるように、体調や体質の変化によってもニオイの感じ方は変わります。
ニオイの感覚は相対的であるために、不快に思っていたニオイにも慣れることが可能なのです。
最初は「嫌なニオイだ」と感じても「そのうち慣れるだろう」と気にしなければ、本当に気にならなくなってしまうものです。
他人の鼻が気になる?
最後の「ニオイに慣れる」というのは冗談に聞こえるかもしれませんが、割とまじめです。
実際に、自分の頭皮のニオイが気になるのは、過度に気にしているという面もあると思うのです。要は気持ちの問題です。
「でも自分はいいけど、他人が気にするんじゃないか?」という心配もあるでしょう。
しかし、世界的に見れば日本人は体臭の薄い民族です。欧米で香水文化が発達してるのは、自分の体臭をアレンジするためです。無臭だから香りをつけるという発想ではなく、ニオイがするのが当たり前という文化なのです。
実際に自分が気にしているだけで、周囲の人はそれほど気にしていないということもあります。
「ニオイに対する考え方を変えてみること」が最も有効なニオイ対策なのです。
上手くいかない人・面倒くさい人にはホットタブがオススメ
以上、7つの頭皮のニオイ対策を紹介してきました。
これらの対策でも心許ない、面倒くさいという人にはホットタブがオススメです。
ホットタブには合成洗剤が使用されていませんが、不要な皮脂や垢を取り除く洗浄作用が備わっています。シャンプーのように過剰に皮脂を取り除くことはありません。
さらにホットタブの重炭酸イオンは頭皮のミネラル汚れを取り除くと言われています。
頭皮の毛穴からは不要となったミネラルが排出されますが、それが皮脂と結びつくことで頭皮臭の原因になると言われているのです。
専用のシャワーヘッドを使って、ホットタブの重炭酸湯で髪を洗うだけで、そうしたミネラル汚れが取り除かれます。
方法は専用のシャワーヘッドに錠剤をセットして、あとは普通に湯シャンをするだけなので面倒くさい思いをしなくて済みます。
ホットタブを使用することで頭皮が無臭になることはあませんが、頭皮のニオイは不快に感じない自然なものとなります。こうしたニオイなら自然と気にならなくなるはずです。
湯シャンのニオイがどうしても解決できないなら、一度ホットタブを試してみることをおすすめします。