男性型脱毛症(AGA)には脂漏性皮膚炎(脂漏性脱毛症)がしばしば伴います。
その脂漏性皮膚炎には今話題のオメガ3脂肪酸が効果があるようです。
男性型脱毛症と脂漏性皮膚炎は併発する
男性型脱毛症(AGA)にはしばしば脂漏性皮膚炎が併発するようです。
このことが皮脂が薄毛の原因であると一般的に信じられている原因になったのではないかと考えられています。しかし、医学的には皮脂と男性型脱毛症(AGA)は関係がないと言われています。
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私自身、湯シャン開始時には鱗状のフケがボロボロ出ていたので、脂漏性皮膚炎を併発していたのだと思います。
脂漏性皮膚炎自体も原因や適切な対処法ははっきりとは解明されていません。
しかし、頭皮の激しい接触皮膚炎が原因でヘアサイクルが短縮してしまう場合があるので、脂漏性皮膚炎自体への対処も育毛という観点からは重要になります。
フケが大量に出たり、頭皮に湿疹がある人は脂漏性皮膚炎の可能性があるので要注意です。
オメガ6脂肪酸が炎症を引き起こす
脂漏性皮膚炎にはマセラチアという頭皮常在菌が関係していると考えられているので、治療には「男性型脱毛症診療ガイドライン(2010 年版)」でも育毛に効果があると取り上げられていた抗真菌薬ケトコナゾールが用いられるのが一般的です。
私も皮膚科で処方してもらい使用していました。
確かにフケは少し治まりましたが、劇的に改善したわけではありませんでした。
湯シャンを継続していれば、自然とフケは治まると考えて、薬のにおいが気になっていたこともあってケトコナゾールの使用は1ヶ月ほどで中断しました。
どうやらマセラチアが原因であるというのも仮説に過ぎず、断定されているわけではないようです。
一方、オメガ6脂肪酸を摂り過ぎると炎症反応を引き起こすプロスタグランディンという物質が大量に作られ、アトピー性皮膚炎などの原因になるという指摘が脂質栄養学からなされています。
リノール酸の摂取が多くてα-リノレン酸群が少ないと、組織がアラキドン酸で満たされます。それが動脈硬化・心疾患の他、アレルギー過敏症や欧米型ガンの主要な危険因子であったのす。
植物性脂肪は以下の3つに分けることができます。
- オレイン酸系(オメガ9脂肪酸) オリーブ油・キャノーラ油など
- リノール酸系(オメガ6脂肪酸) コーン油・紅花油・一般的な植物油など
- αーリノレン酸系(オメガ3脂肪酸) アマニ油・シソ油など
これらのうち、リノール酸系(オメガ6脂肪酸)を摂りすぎると、以下の病気を引き起こしやすくなると言われていますが、現代日本の食環境ではリノール酸系が過剰に摂取されており、問題視されています。
- 精神病
- 心臓病・脳血管障害
- ガン
- アレルギー
- 糖尿病
- 肥満
一方、αーリノレン酸系(オメガ3脂肪酸)はリノール酸系の働きを抑制するので、反対に上記の病気の予防効果があります。これが現在「オメガ3」が注目されている理由です。
オメガ6系のリノール酸、オメガ3系のα-リノレン酸は人間の体内で合成することのできない栄養素で、
必須脂肪酸と呼ばれています。二つの必須脂肪酸は互いに協調してはたらき、
自動車でたとえればアクセルとブレーキの関係と似ています。リノール酸はアクセルの働きに似ていて、
過剰に摂取するとアレルギーやガンの発生を助長します。逆にα-リノレン酸はアレルギーやガンの発生を押さえるなど、ブレーキに似た役割をしています。
現代の食環境ではリノール酸は十分どころか、摂取し過ぎています。
逆にオメガ3系のα-リノレン酸が不足しています
(100年前と比較すると20%しか摂取できていません)。
日本でアレルギーやアトピーが増加しているのは、αーリノレン酸の摂取が不足して、リノール酸が過剰に摂取されるようになったためだと考えられています。
本来、和食はαーリノレン酸とリノール酸のバランスが良好に保たれている食文化です。他方、欧米の食事はリノール酸過多であり、日本の食文化の欧米化と同時に、脂質の摂取もバランスのとれたものから、バランスの悪いものに変化していったようです。
オメガ3脂肪酸が炎症を抑える
αーリノレン酸(オメガ3脂肪酸)はリノール酸の働きを抑制して、アレルギー性疾患やアトピーを改善させることが期待できます。
日本史質栄養学会前会長の奥山治美教授によれば、α-リノレン酸を積極的に摂取することで以下の効果が期待でき、実際にそうなった例も多いそうです。
- 心筋梗塞やガンなどの生活習慣病予防
- アレルギー性疾患の改善
- 喘息発作の抑制
- 皮膚のかゆみの減少、ツヤが増す
- アトピーの治癒
- 口内炎、口角炎が出なくなる
- 頭の脂漏性皮膚炎が消える
育毛の観点から注目したいのは、「頭の脂漏性皮膚炎が消えた」という例です。
αーリノレン酸の摂取によって、脂漏性皮膚炎が改善されるとすると、脂漏性皮膚炎の原因としてリノール酸の過剰摂取が考えられるということです。
ということは、リノール酸の摂取を抑え、αーリノレン酸の摂取を増やすことで、脂漏性皮膚炎を原因とする脱毛やヘアサイクルの短縮化を防ぐことができるということになります。
オメガ3脂肪酸が含まれる食品
αーリノレン酸(オメガ3脂肪酸)を多く含む食品には以下のものがあります。
- シソ油
- エゴマ油
- アマニ油
- イワシ
- カツオ
- カワハギ
- タラ
- ハタハタ
- ムツ
- アナゴ
- くるみ
- 栗
- インゲン豆
- 大豆
- 玄米などの穀物の胚芽
エゴマ油やアマニ油は「オメガ3」が豊富と話題になっていますね。高温調理には向いていないので、揚げ油には使わずにドレッシングや軽い炒め物などに使うといいようです。
魚、特に青魚も挙げられてますが、それは青魚に含まれるDHAやEPAという脂肪酸がαーリノレン酸に分類されるためです。天ぷらやフライなどの揚げ油はリノール酸系の食用油が使用されていることが多いので、避けた方が無難です。
穀物、種子類、豆類にもαーリノレン酸は豊富ですが、温暖な土地で栽培されたアーモンドなどには含まれず、寒冷地で育ったもののほうに多く含まれています。
穀物の胚芽にも豊富に含まれているので、穀物は精製されていないもの選んだ方がいいでしょう。
植物性油脂に注意
反対にリノール酸系(オメガ6脂肪酸)が多い食品は以下になります。
- ショートニング
- 植物性油脂
- マーガリン
- マヨネーズ
- ドレッシング
- スナック菓子
- 鶏卵
- ベニバナ油
- グレープシードオイル
- ヒマワリ油
- コーン油
- 大豆油
一見して洋食の材料に多いことがわかります。
特に「植物性油脂」は加工食品や菓子類に使われていることが多いので、これらは控えたほうがいいでしょう。
揚げ物等の調理に使う際にはオレイン酸系(オメガ9脂肪酸)のオリーブオイルやキャノーラ油で代替可能です。
コンビニなどでよく売られているパンや菓子類の原材料をみてみると、「ショートニング」や「植物性油脂」が含まれているものが多いのに驚きます。
コンビニでよく食べ物を購入している人は自然とリノール酸系を多く摂っていることになります。
リノール酸系を控えて、αーリノレン酸系を積極的に摂ることは男性型脱毛症(AGA)には直接効果はないかもしれませんが、脂漏性皮膚炎による脱毛やヘアサイクルの短縮化を防ぐことができます。
食べ物を購入するときは、原材料を確認して、できるだけリノール酸系のものは避けていきましょう。