髪のメカニズム

軟毛率を男性型脱毛症(AGA)の指標にする

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自分が男性型脱毛症(AGA)かどうかは、遺伝子検査などで調べることができますが、もっと手軽に判断する方法があります。

薄毛部分の軟毛の割合で男性型脱毛症(AGA)かどうか判断できるのです。

 

軟毛率とは

軟毛率による判断法は双田譲治さんの『育毛物語』の中に出てきます。

パレスクリニックの取材の過程で、双田さんが男性型脱毛症(AGA)かどうか判断するのに用いられている方法です。

具体的な手順は以下のようになります。

1 マイクロスコープで薄毛部分の写真を撮る
2 写真中、軟毛が何%か数えて軟毛率を計算する(軟毛の数÷髪の合計数)
3 今度は薄気でない部分の写真を撮り、そこの軟毛率を計算する
4 薄毛部分の軟毛率と薄気でない部分の軟毛率を比較する

軟毛とは毛髄質のない細く柔らかい毛のことで、メラニン色素が少ないため、髪自体の色が非常に薄くなっています。いわゆる産毛とはこの軟毛のことで、細さと色の薄さで生えていても、通常の毛と比べてあまり目立ちません。

反対に毛髄質のある通常の毛を硬毛と呼びます。こちらはメラニン色素が多いため、軟毛と比べて生えているとはっきりわかります。

出典元:メナード「用語辞典」

肉眼で見ると、軟毛は生えていることに気づきにくいですが、倍率を上げたマイクロスコープで見ると確認することができます。

調べた結果、薄毛部分の軟毛率と、薄気でない部分の軟毛率が同じなら、男性型脱毛症(AGA)ではないと判断されます。

逆に薄毛部分の軟毛率が薄気でない部分に比べて高ければ、男性型脱毛症(AGA)だと判断されます。

だいたい軟毛率が30〜40%だと男性型脱毛症だと判断されるようです。

男性型脱毛症とはヘアサイクルのミニチュア化

なぜ軟毛率で男性型脱毛症(AGA)かどうか判断できるかと言うと、男性型脱毛症(AGA)とは硬毛が軟毛化する症状だからです。

男性型脱毛症になっても髪の毛は抜ければまた生えてきます。ただ通常と異なるのは髪が太く長く成長する成長期が短くなる点です。

下図のように髪は休止期・成長期・退行期というヘアサイクルを繰り返すことで、脱毛・発毛・成長を繰り返していますが、男性型脱毛症(AGA)になっても、このサイクルは変わることはありません。

 

 

出典元:ヘアメディカル

しかし男性型脱毛症(AGA)では成長期が短くなるため、髪の毛が太く長く成長せずに退行期を迎えてしまい、脱毛してしまいます。その結果、硬毛に育たず軟毛のままで脱毛してしまう毛が増えてしまうのです。

軟毛はちゃんと生えていても、細く色素も薄いので、まるで生えていないかのように見えてしまいます。

髪が生えていないように見える部分の頭皮をよく観察すると、細い毛が生えていることがわかります。これが軟毛で、元々ははっきりと見える硬毛だったものが成長期の短縮で、サイクルを経るごとに成長が滞り、軟毛化してしまったのです。

極端な話、男性型脱毛症(AGA)になっても髪の本数は変わっていません。ただ軟毛の割合が高くなると、視認できる髪の量が減り、結果、髪の本数が減ったように見えるのです。

軟毛率が低い薄毛

軟毛の割合で男性型脱毛症(AGA)を判断するのは、軟毛の割合が低い(=軟毛が少ない)脱毛症もあるからです。

脱毛症には大きく分けて休止期脱毛症成長期脱毛症の2つがあります。

休止期脱毛症とはヘアサイクルの休止期に抜ける脱毛症で、男性型脱毛症(AGA)もこれにあたります。

成長期脱毛症は成長期に毛が抜けてしまう脱毛症で、円形脱毛症がこれにあたります。成長期に毛母細胞が死んでしまうために脱毛が起こってしまうのです。

円形脱毛症の場合は、ヘアサイクル自体が突然止まってしまうわけですが、再びヘアサイクルが動き始めれば、また髪は生えてきて、硬毛に成長します。この場合は硬毛の軟毛化は起きないわけです。

単に抜け毛が増えたというだけでは、円形脱毛症の可能性もあるので、軟毛の割合を見ることで、男性型脱毛症(AGA)と区別ができるというわけです。

その他にも、生まれつき特定の部分の毛の数(=毛包の数)が少ない場合や、老化によって休止期が長くなっている場合にも、軟毛率は高くはなりません。

つまり、抜け毛が多かったり、髪が薄い場合でも、男性型脱毛症(AGA)ではない場合もあり得るのです。

私の軟毛率

過去の育毛の記録から、私の軟毛率を計算してみました。

グラフでは、①前頭部・②前頭部横・③中間部の軟毛率が30%以上となっているので、私は明らかに男性型脱毛症(AGA)のようですね。

①前頭部は軟毛率70%前後とかなり深刻です。果たして回復するのか、自分でも不安になってきました。

③中間部は軟毛率が徐々に上がってきています。実はこのことには前々から気がついていました。中間部は一見して髪が薄くは見えないのですが、軟毛の割合が多いのです。

軟毛率が高いので危ないなとは思っていました。すると案の定、最近になって③中間部の髪が薄くなりだしました。おそらく休止期に入った硬毛が脱毛しているのだと思います。

③中間部は①前頭部のちょうど真上です。③中間部の薄毛が進行がしているということは、①前頭部の薄毛部分が上に伸びていることを意味します。

悲しいことですが、軟毛率が高いと男性型脱毛症(AGA)が進行するということを、自分の事例で確認することになってしまいました。

救いなのは、②前頭葉横の軟毛率が30%から20%に低下していることです。この部分は育毛が進んでいると見ていいのかもしれません。

④頭頂部も自分では薄いと思っていたのですが、軟毛率は20%以下なのでここでは男性型脱毛症(AGA)は発症していないようです。

ちなみに双田さんの軟毛率は12%だったそうで、「男性型脱毛症(AGA)とは判断できない」とパレスクリニックの医師に説明されています。うらやましいですね。

抜け毛だけが指標ではない

薄毛が気になりだすと、抜け毛の数が気になります。しかし、いくら抜け毛が多くても、そのあとに生えてくる毛が正常なヘアサイクルで硬毛に成長するならば、髪は薄くはなりません。

私も人よりも抜け毛が多いですが、今はあまり気にしていません。抜け毛が多い割にまだ髪が残っているのは、少なからぬ髪が正常なヘアサイクルを保っているからでしょう。

自然な状態でも抜ける毛はあるので、抜け毛の量を薄毛の指標にするよりも、軟毛率やマイクロスコープで撮った頭皮の状態などを指標にした方がいいように思います。

髪が生えている限り必ず毎日一定量は抜けているので、抜け毛を気にしすぎれば、「髪が抜けているという事実」ばかりに注意が向いてしまいます。

男性型脱毛症(AGA)で重要なのは、「ヘアサイクルのミニチュア化が起きているかどうか」ですが、抜け毛と違ってこれはなかなか目に見える形では表れません。

軟毛率は「ヘアサイクルのミニチュア化の度合い」を測る有効な指標なので、今後も育毛に活用していこうと思います。まずは中間部の軟毛率がこれ以上、上がらないようにしたいですね。

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