育毛剤

【医師が推奨】40代・50代・更年期の女性に効果がある育毛剤とは?

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薄毛は男性特有の悩みと思いがちですが、女性にとっても深刻な問題のようです。

一説によると薄毛に悩む女性は1700万人もいるとか。

最近ではいろいろな女性用育毛剤が出てきていますが、やはりみなさん気になるのは「効果がある育毛剤はどれか?」ということです。

しかし、あまり知られてはいませんが、日本皮膚科学会から医学的に推奨できる女性向けの育毛剤や育毛機器がちゃんと発表されているのです。

ですから女性の薄毛には、まずこれらの育毛剤・育毛機器を使用するのが、一番効果を期待できる選択ということになります。

以下では、医師が推奨する育毛剤と育毛機器の効果や副作用、そして「どこで購入できるのか?」という点をまとめて見ました。

DarkoStojanovic / Pixabay

薄毛治療の医学的ガイドラインとは?

現在では、男性型脱毛症(AGA)に関する研究が進み、ミノキシジルやフィナステリドといった医学的に効果が認められる治療薬が開発されています。

にもかかわらず「皮膚科医の立場からは無効と言える科学的根拠に乏しい育毛法を続ける患者が多い」ということで、2010年に日本皮膚科学会から発表されたのが「男性型脱毛症診療ガイドライン」です。

このガイドラインでは医学的な見地から育毛剤や育毛法の効果やリスクを検証して、A〜Dまでの5段階の推奨度に分類しています。

男性型脱毛症診療ガイドラインの推奨度分類

A:行うよう強く勧める
B:行うよう勧める
C1:行ってもよい
C2:行わないほうがいい
D:行わうべきではない

ガイドラインを実際に作成しているのは、大学病院などの教授クラスの専門家たちです。

また、特定の育毛剤や治療法の開発に関係した人は、その推奨度判定に関与しないようされています。つまり公平で客観的な判定がされているということです。

このように、「男性型脱毛症診療ガイドライン」は

  • 複数の研究機関の皮膚科医が作成に参加している
  • 判定の根拠には国内外の様々な研究を用いている
  • 特定の育毛剤や治療法に偏らず、客観的に評価を行なっている

という点で、日本で最も信頼できる育毛剤の評価(ランキング)であると言えます。

「男性型脱毛症診療ガイドライン」は2017年にさらに改訂され、「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」という名称で発表されています。

参照サイト一般公開ガイドライン一覧/日本皮膚科学会 

更年期の女性が悩む「女性型脱毛症」とは?

ガイドラインが2017年版に改訂された理由の一つとして、「女性の男性型脱毛症に対する概念の変化があったこと」が挙げられてます。

2010年版では女性の脱毛症に対しては「脱毛する部位が男性とは違う」程度の言及しかありませんでした。

しかし、現在では研究が進み、「女性型脱毛症」という病名を用いて男性型脱毛症(AGA)と区別することが国際的にも多くなってきているということです。

以下は2017年版ガイドラインで説明されている男性型脱毛症と女性型脱毛症の違いです。

男性型脱毛症 女性型脱毛症
髪が薄くなる部位 前頭部や頭頂部から始まり
全体に及ぶ
頭頂部の広い範囲
発症時期 20代後半〜30代で多発 更年期に多発
原因 遺伝と男性ホルモンのDHTへの変換 男性ホルモンの影響のみでは
説明できない場合もある

このように女性型脱毛症は男性型脱毛症と全く同じというわけではなさそうです。

特に「男性ホルモンの影響のみでは説明できな場合もある」という点は、男性型脱毛症に効果がある育毛剤が女性に対しても同様の効果あるとは限らないということを示しています。

だからこそ、女性に対して効果があると実証させれている育毛剤や育毛法を選ぶことが、薄毛改善の上では重要になってきます。

女性型脱毛症に効果がある育毛剤とは?

では、実際に2017年版ガイドラインで推奨されているのはどんな育毛剤なのでしょうか?

育毛剤・育毛法を推奨度ごとにまとめてみました。

育毛剤・治療法 男性型脱毛症 女性型脱毛症
ミノキシジル外用 A A
LED・低出力レーザー B B
アデノシン B C1
自毛植毛 B C1
塩化カルプロニウム C1 C1
t-フラノバン C1 (C1)
サイトプリン・ベンタデカン C1 C1
ケトコナゾール外用 C1 (C1)
かつら C1 C1
ビマトプロスト・ラタノプロスト C2 C2
成長因子導入・細胞移植療法 C2 C2
フィナステリド内服 A D
デュタステリド A D
人工毛植毛 D D
ミノキシジル内服 D D

実質的に推奨されているのはA(行うよう強く勧める)とB(行うよう勧める)ですので、女性型脱毛症について推奨されているのは、ミノキシジル外用とLED・低出力レーザーの2つのみになります。

C1(行なってもよい)は、「副作用は少ないがA・Bほどの効果は期待できない」というニュアンスです。ちなみに(C1)は女性型脱毛症を対象とした臨床試験が行われていないものです。

C2(行わないほうがいい)とD(行うべきではない)ははっきりと推奨されていないので、行わないように注意しましょう。

推奨度A:ミノキシジル外用

ミノキシジル外用は女性型脱毛症に対しては唯一の推奨度Aの育毛剤です。つまり専門家が一番効果を認めている育毛剤ということになります。

ただし、男性型脱毛症に対しては5%濃度が推奨されていますが、女性型脱毛症には1%濃度が推奨されているという違いがあります。

ミノキシジル

ミノキシジルの有効性を示している研究

  • 女性1,242名を対象とした24〜32週の試験で、ミノキシジルを使用したグループは使用しなかったグループに比べて脱毛部1㎠の毛髪数が平均13.18本増加した
  • 女性280名を対象とした24週の試験で、脱毛部1㎠での非軟毛(硬毛)数の増加本数は1%濃度のミノキシジルを使用したグループでは平均8.15本だったのに対し、使用しなかったグループは2.03本だった

毛髪数が増加するという結果もさることならが、硬毛数も増加するという試験結果が出ている点が重要です。

というのも男性型脱毛症(女性型脱毛症)は毛が生えないという症状ではなく、軟毛(産毛)が太い硬毛に成長しないという症状だからです。硬毛数が増加するというのは男性型脱毛症(女性型脱毛症)にダイレクトに効果があることを示しています。

男性は5%濃度が推奨されているのに、女性は1%濃度が推奨されている理由

男性では1%よりも5%の方が効果が高かったという研究があるので、男性型脱毛症には5%濃度のミノキシジルが推奨されています。

Tumisu / Pixabay

一方、女性に対しては5%と1%(あるいは2%)ではそれほど効果に差がでないという研究があるため、女性型脱毛症には1%濃度のミノキシジルが推奨されているのです。

ミノキシジル内服は推奨されていない

ミノキシジルには頭皮に直接塗る「外用薬」と、口から服用する「内服薬」がありますが、「内服薬」のほうは男女ともに推奨度D「行うべきではない」と否定されています。

その理由は端的に言えば副作用が大きすぎるからです。

ミノキシジル内服の副作用については下記の記事を参考にしてください。

関連記事効きすぎる育毛剤には副作用がある

推奨度B:LED・低出力レーザー照射

LED・低出力レーザー照射は新しい脱毛症治療法で、2010年版ガイドラインには記載されていませんでした。

こちらも女性型脱毛症に対してはただ一つの推奨度Bとなっています。

LED・低出力レーザーの有効性を示している研究

女性122名を対象とした26週間の試験で、9-beamレーザー照射で20.2本/㎠、12-beam照射で20.6本/㎠、成長期毛が増加した

増毛数はミノキシジル外用と遜色ない結果が出ています。

ただ、硬毛数が増えるという点で、ミノキシジルの方が効果が高いと判定されているようです。

LED・低出力レーザーが国内未承認でも推奨される理由とは?

実はLED・低出力レーザーの試験で用いられている機器は日本では認可されていません。

それでも、ガイドラインで推奨されているのは、この機器がアメリカのFDA(アメリカ食品医薬品局)で男性型脱毛症・女性型脱毛症、両方の治療法として認可されているからです。

FDA(アメリカ食品医薬品局)とは?

日本の厚生労働省に当たる保健福祉省の下部組織で、アメリカの食品や医薬品、化粧品、医療機器などの認可や取締りを行なっている政府機関です。

育毛先進国のアメリカで認可されているということは、その効果は信頼できるということです。

男性型脱毛症の推奨度Aの育毛剤であるフィナステリド・デュタステリド・ミノキシジルも、アメリカで開発され、FDAで認可された後、日本に導入されるという経緯を辿っています。

LED・低出力レーザーも同じように、日本でも脱毛症治療の主流になると考えていいでしょう。

ミノキシジルとLED・低出力レーザーの副作用

効果の高い育毛剤には副作用の危険性が伴います。これは育毛剤が薬品である以上しかたのないことです。

ガイドラインでもそれぞれの育毛剤の副作用についてはちゃんと検証されていて、育毛剤の推奨度は効果と副作用の両方を考慮した上で判定されています。

育毛剤それぞれの副作用のリスクを考慮した上で、使用することが大切です。万が一副作用がでれば使用を中止することも念頭に置いておきましょう。

ミノキシジルの副作用

2017年版ガイドラインに記載されているミノキシジルの副作用

  • 男女共通でかゆみ、赤み、フケ、毛包炎、接触皮膚炎、顔面の多毛などが報告されている
  • 女性を対象としたある試験での皮膚症状(かゆみ、接触皮膚炎など)の出現率は5%濃度で14%、2%濃度で6%、プラセボ群で4%だった
  • 女性を対象とした別の試験では、5%濃度で14%、2%濃度で6%に皮膚症状が出た。ただしプラセボ群でも4%出ている

プラセボ群とは?

プラセボとは治療効果のない薬のことです。
治療効果がない薬(プラセボ)を飲んでも心理的な作用で効果が出る場合があります。これをプラセボ効果と言います。
試験対象の薬を飲んだだけでは、表れた効果が薬本来のものなのか、プラセボ効果なのか判断できません。
そのため、薬の臨床試験では参加者には分からないようにプラセボを混ぜて、プラセボを飲んだグループと本物の薬を飲んだグループの結果を比較するようにしているのです。
「プラセボ群」とは、このプラセボを服用したグループのことです。

ミノキシジルの副作用については、上記のガイドライン以外に信頼できるデータとして、大正製薬のリアップレディの臨床試験があります。リアップレディはミノキシジル1%を成分とする女性用育毛剤です。

リアップレデイの臨床試験

  • 主な副作用は刺激感や接触皮膚炎などの皮膚症状
  • 関連性があると思われる副作用の発現率は、リアップレディが6.5%、プラセボが7.8%だった

参照サイトリアップリジェンヌ 臨床試験/大正製薬

ガイドラインの検証でも大正製薬の試験でも、ミノキシジル1%では6%ほどの人に接触皮膚炎などの副作用が出るようです。およそ20人に1人の割合ですね。

ただし、プラセボ群でも4〜8%に同等の症状が出るようです。それを加味すると約10%程度の人にかゆみや皮膚炎が発生すると考えたほうがいいでしょう。

これは重大な副作用とは言えないまでも、無視することはできないレベルです。しかし、この副作用を考慮しても推奨できるということで、ガイドラインでは推奨度Aとなっているのでしょう。

また、ミノキシジル使用の初期に脱毛が起こる場合があるようですが、一時的なものなのでそれで使用中止しないように注意が必要です。

LED・低出力レーザーの副作用

2017年版ガイドラインに記載されている低出力レーザーの副作用

女性を対象としたある試験では、皮膚の乾燥(5.1%)、かゆみ(2.5%)などの副作用が出た

皮膚炎が主な副作用となるミノキシジルと比べると、LED・低出力レーザーは皮膚の乾燥・かゆみが主な副作用になり、かなり軽いと言えるでしょう。

効果については推奨度Aのミノキシジルが高いですが、安全性という点ではLED・低出力レーザーのほうが優れていると言えます。

ミノキシジルとLED・低出力レーザーを購入するには?

いくら推奨度が高い育毛剤でも、日本で購入することができなければ意味がありません。その点ではミノキシジルとLED・低出力レーザーは両方とも購入できるので問題ありません。

ミノキシジル1%はリアップリジェンヌとして購入可能

日本で発売されている1%濃度のミノキシジル外用液は大正製薬のリアップシリーズのみとなります。

その中でも、女性専用とされているのが「リアップリジェンヌ」です。


リアップリジェンヌ/大正製薬

ミノキシジルを成分とする育毛剤はリアップシリーズや、アンファーから発売されているミノキがありますが、そのほとんどは男性用で女性用のミノキシジル1%を成分とする育毛剤は、日本ではリアップリジェンヌのみになります。

リアップリジェンヌが分類されている「第1類医薬品」は、販売時に薬剤師による説明が義務付けられていて、以前はネットで購入することができませんでした。

しかし、現在ではネットでの販売も解禁されていて、リアップリジェンヌもアマゾンで購入可能です。

販売サイトアマゾンのリアップリジェンヌ販売ページ

低出力レーザー「ヘアマックス」も日本で購入可能

低出力レーザーも製品化されていて日本で購入することもできます。

HairMax for FB
現在のところ、FDAが男性型脱毛症と女性型脱毛症の治療に関して認可しているレーザー育毛機は、このヘアマックス(HAIRMAX)しかありません。

このことから考えても、2017年版ガイドラインで推奨されている低出力レーザーは実質的にはへアマックスだと考えてられます。

参照されている論文や試験の内容もそれを裏付けています。ヘアマックスの公式サイトで紹介されている試験の内容はガイドラインに記載されている女性を対象とした試験と全く同一なのです。

育毛用の低出力レーザーはヘアマックス以外のものも出ていますが、FDAに認可されるほど効果が実証されているものは残念ながらありません。

jarmoluk / Pixabay

ヘアマックスはヘアバンド型やクシ型など数モデルあり、価格は4〜10万円ほどです。

価格は安くはありませんが、コストは初回の購入費用のみなので、長期的に見れば毎月購入が必要なリアップリジェンヌなどの育毛剤よりもコスパはよくなります。

ヘアマックスは下記の公式サイトから購入できます。

関連サイトヘアマックス公式サイト

ベストはリアップリジェンヌとヘアマックスの併用

ミノキシジル1%の外用は2010年版ガイドラインでも推奨度Aで勧められていましたが、2017年版でヘアマックスが推奨されたことは、女性型脱毛症治療にとっては革新的な出来事だといえます。

というのも、ヘアマックスとミノキシジル(リアップリジェンヌ)を併用することで、より高い育毛効果を期待できるからです。

男性用には以前からミノキシジルとフィナステリドの併用が効果が高いと言われていましたが、残念ながら女性はフィナステイルドを使用することができないので、効果の高い育毛法はミノキシジル単体での使用にとどまりました。

それがヘアマックスの登場で推奨度B以上の育毛法を組み合わせることが可能になったのです。

StockSnap / Pixabay

また、ヘアマックスは副作用が軽微なので、ミノキシジルと比較して長期的な使用により適しています。

万が一、ミノキシジルが副作用の出現で使用中止になった時も、代替手段として選択することが可能です。

まとめ

「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」に従えば、女性型脱毛症の治療はミノキシジルとヘアマックスの併用か、どちらかの単体使用というふうに答えは出ています。

とにかく効果を求めるのならば、ミノキシジル(リアップリジェンヌ)とヘアマックスの併用しかありません。

副作用が心配で、永続的に育毛を続けたいという人にはヘアマックスの単体使用がオススメです。

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