育毛というと効果ばかりを気にしてしまいますが、効果があるとされる育毛法は費用も高額になります。
育毛の費用について考えてみました。
効果も大事だがお金も大事
育毛というと「生えるかどうか」と効果をまず考えてしまいますが、育毛を実践するには費用面を考えることも重要です。
多くの育毛法では継続することが重要になるので、長い期間実践するということはその分お金もかかることになるからです。
また毛髪医療の進歩で、お金をかければ薄毛を克服できる可能性が高まっているのも事実です。
数百万単位の余裕資金があるという人は別ですが、そうでない人は髪の悩みを解決しようとして、お金の悩みができてしまうことにもなりかねません。
育毛法を検討する際には、費用面も考えてみましょう。
育毛法別の費用
主な育毛法ごとの費用をまとめてみました。
継続する必要のあるものは40年間継続するという設定です。
感覚的にわかりやすいように月額に換算した金額も計算しています。
プロペシア
プロペシア自体の価格は病院によって異なりますが、おおよそ1ヶ月分で7,000円ほどというのが標準的な価格のようです。ただし病院で処方してもらうには別途、数千円の診察料が必要になります。
表では診察料と合わせて月1万円の費用としています。
プロペシアは体質を変化させるわけではなく、薬の力でヘアサイクルの短縮化を防いでいるので、服用を止めてしまうとまた薄毛は進行していきます。
そのため表では40年間毎月服用すると考えて計算しています。
リアップ
リアップはいくつか種類がありますが、「男性型脱毛症診療ガイドライン(2010 年版)」で推奨されているミノキシジル5%濃度のリアップX5プラス1ヶ月分の税込価格、約7,600円で計算しています。
リアップも40年間で毎月使用する計算です。
プロペシア+リアップ
プロペシアとリアップ(ミノキシジル外用)の併用は効果が高いと評判の組み合わせです。
金額はプロペシアとリアップの費用を単純に足しているだけです。
40年間では約900万円というなかなかの金額になります。
カツラ
カツラの費用はあまり知られていませんがかなり高額になります。
カツラを着けている人はそれを隠そうとするので、その費用については周知されないのでしょう。
カツラの価格は種類にもよりますが、20〜80万というのが価格帯です。
カツラも使用に伴って消耗していきます。そのため、スペアを購入することもあります。
平均的な耐用年数は2〜3年。
表では50万円のものをスペアを含めて2つ購入し、3年に1回2つとも買い替えると設定しています。初期費用100万円、3年ごとに同じく100万円かかる計算です。
40年間での費用総額は約1,300万円。今回計算した中で一番の高額です。
自毛植毛
自毛植毛はヘアサイクルが短縮化していない毛包を薄毛の部分に移植する外科手術です。
毛包とは皮膚下の毛を取り囲む組織のことです。
出典元:メナード化粧品「用語辞典」
自毛植毛で移植された毛包は移植先でのヘアサイクルには影響されないので、定着すればその後は正常なヘアサイクルの毛が生えてきます。
つまり上手くいけば手術後に特別なケアをすることなく、薄毛部分の毛量を増やすことが可能なのです。
自毛移植の費用は移植する毛包の数によります。毛包一株700〜1,200円というのが相場のようです。
移植する毛包数は薄毛の進行状態によりますが、3000株前後が割合多いそうなので、表では3000株×1,000円で計算して、その後のアフターケアの費用もないと考えています。
すると費用総額は300万円となり、表の中では一番安い育毛法になりました。
自毛植毛は「男性型脱毛症診療ガイドライン(2010 年版)」でプロペシア、ミノキシジル外用(リアップ)の推奨度Aに次いで、2番目に高い推奨度Bの評価を得ています。
効果面、費用面でも優れている育毛法ということになりますね。
人工毛植毛
人工毛植毛は人工の毛髪を皮膚に移植する手術です。
単位当たりの金額は1本200〜260円と自毛植毛よりも安くなりますが、移植した毛は生体ではないので何割かは数年で脱毛してしまいます。
そのため人工毛植毛では数年ごとに脱毛した分を植毛(補毛)しなりません。
表では最初の植毛を3000本×260円、脱毛を年間20%として年間の補毛を600本(3000本×20%)×260円と考えました。
初期費用78万円、年間の補毛費用約17万円、40年間の総額は約700万円という計算です。
40年間の費用総額は自毛植毛の倍以上になりました。
人工毛植毛はFDA(アメリカ食品医薬局)で事実上禁止されていて、「男性型脱毛症診療ガイドライン(2010 年版)」でも推奨度Dという最低の評価になっています。
リスクの面と費用面で、あまりおすすめできない育毛法ですね。
育毛サロン
育毛サロンの費用は安いものでも50万円、高いものだと700万円ほどするそうです。
期間も半年から数年といろいろあり、当然期間が長くなるほど費用も高くなります。
表では年間120万円のコースを契約した場合を想定しています。
ただ育毛サロンの場合は、「どれぐらいの期間継続すれば満足のいく効果が得られるのか」という点が不明瞭なので、40年間の金額は記載していません。
他の育毛法と比べて、効果を検証するデータに乏しいのです。
月額、年間の費用で見ると、一番高い金額です。
それでは、金額に比例して効果も一番期待できるかというと、判断できるデータが乏しいので、一番期待できないと判断せざるを得ないのではないでしょうか。
年齢を経ても育毛費用を確保できるか
育毛サロンを除くと、自毛植毛以外はどれも継続的な費用が発生します。
少なくとも年間10万円程度の費用が必要です。
数十年単位で継続するには、この費用を継続して確保できるかということも考える必要があります。
例えば、退職や結婚などで生活が変わると、収入や支出も変化していきます。
そう考えると、継続的な費用はできるだけ低いほうが望ましい、ということになります。
リスクは出費を伴う
また育毛法を継続していくことで、育毛法以外でも費用が発生する可能性があります。
例えば、プロペシアやリアップの副作用の発生率はゼロではないので、継続する期間が長ければその分副作用のリスクも高まります。
何らかの副作用が出た場合には、その治療にお金が必要になる可能性もあるのです。
人工毛植毛の場合もFDA(アメリカ食品医薬局)でその安全性が疑問視されているので、何らかのリスクを負う可能性があります。
育毛法に高額な費用を払った上に、その副作用にも費用がかかるのはぜひとも避けたいところです。
育毛法のリスクについては、始める前に費用面からも考えた方がいいでしょう。
育毛の出口戦略はあるのか
今回計算した育毛法のうち、育毛サロンを例外とすれば、アフターケアのいらない育毛法は自毛植毛だけです。
自毛植毛で上手くいけば、「育毛に成功した」と言うことができますが、それ以外の方法は中断するとまた薄毛に戻ってしまいます。
そのため、半永久的に継続しなければならず、費用も半永久的にかかります。
それは終わらないレースを走っているようなもので、どこかで金銭的にも精神的にもきつくなる可能性があります。
できることなら、その状態を抜け出す戦略(出口戦略)があったほうがいいでしょう。
お金のかからない育毛法を
出口戦略はどこかで自毛植毛に踏み切るか、食事療法などで薄毛体質を改善していくかの2通りが考えられます。
自毛植毛は最後の手段と考えて、まずは食事療法などに取り組むのがベストだと私は考えます。
それはプロペシアやリアップの使用と平行して取り組むことが可能だからです。
私は現在、以下の食事療法などを実践していますが、それはこれらの方法で育毛に成功すれば、費用面でも安く済みますし、また継続していく負担も少ないからです。
☑️ブラッシング
☑️サプリメントの摂取(ノコギリヤシ、亜鉛)(1,500円)
☑️大豆と唐辛子の摂取(2,560円)
☑️糖質制限
☑️シリカ水の摂取(1,900円)
☑️ドライヤーで髪を乾かさない(タオルドライ、自然乾燥)
☑️黒豆の摂取
カッコ内の金額はそれぞれの月額費用です。
合計すると8,660円です。
決して安く済んでいるという金額ではないですが、続けられないという金額でもありません。
また湯シャンのおかげでシャンプー類を購入しないので、シャンプー代の分だけ負担は軽くなっています。
それにこれらの育毛法は髪だけでなく全身の健康も促進させるので、それを含んだ費用だと考えれば割安に思えますし、費用面以外でも継続するモチベーションが高まります。
高額な育毛法を継続するのなら、同時にお金がかからなくて継続しやすい育毛法を平行して実践することをおすすめします。