はっきりとはしていませんがフケと薄毛は関係がある可能性が高いです。
フケは頭皮の状態を反映しているからです。
フケ症は薄毛の前兆?
2016年の11月に湯シャンを開始した際に意識したのは、フケ症への対策です。
シャンプーをしていた頃には気になりませんでしたが、湯シャンを開始してから鱗状の大きなフケがブラッシング時に出るようになりました。
しかし、思い返せば10代の思春期の頃からフケは多かったような気がします。
またシャンプーしていたころにシャンプー直後の頭皮にフケがこびりついていることに何度か気づいたことがありました。
今から考えると元々フケ症だったのでしょうが、シャンプーをしていた頃にはシャンプーで洗い流せていたので気にならなかったのでしょう。しかしフケが出やすい体質は変わらないので、シャンプー後にもシャンプーで洗い流せていないフケがこびりついていたのだと思います。
自分のフケの多さを改めて認識すると、それが髪が薄くなりだした思春期から始まったようなので、自分の薄毛とフケは関係があるのではないかと考えました。
ある研究では、92組の男性型脱毛症(AGA)を発症している双子のうち、フケがあるほうが男性型脱毛症が重症化していることがわかったようです(『薄毛の科学』)。
そこで、育毛の一環としてフケ症にも取り組もうと考えたのです。
フケが多いというのは健康な頭皮ではありませんから、それを改善すればどんな育毛法を実践するにしてもプラスになるはずです。
シャンプーが皮膚の正常さを奪う
『シャンプーをやめると、髪が増える』の宇津木龍一先生によれば、シャンプーによってフケが多くなることもあれば、逆に少なくなることもあるそうです。
フケが多くなる場合は、シャンプーの成分が頭皮を傷つけている可能性が考えられます。
界面活性剤などが頭皮を刺激して炎症を起こし、炎症が起こっている部分の肌を入れ替える為に、通常よりも早いペースで細胞分裂が進み、その結果入れ替わった大量の古い肌(角質、垢)がフケになるというわけです。
逆にフケが少なくなる場合もあります。その場合、シャンプーの皮脂除去作用で頭皮が極端に乾燥して、新陳代謝が低下するため、皮膚の入れ替わりが停滞してフケとなる古い角質できなくなるのです。
皮膚は「角質層」「表皮」「真皮」の3つの層からなっていて、一番内側の「真皮」から新しい細胞が生まれて徐々に外側に押し上がっていき、28日を周期として入れ替わっています。
出典元:メナード化粧品「用語辞典」
入り替わりの最後に角質層の一番外側の細胞がはがれ落ちますが、これが垢やフケと呼ばれます。
シャンプーの作用で、この入れ替わり(新陳代謝、ターンオーバー)のサイクルが乱れて、フケの量が増えたり減ったりする可能性があるのです。
ケトコナゾール
フケ症を改善しようと考えて最初にとった行動は皮膚科の受診です。おそらく脂漏性皮膚炎だろうと思い、脂漏性皮膚炎に効果のあるケトコナゾールを処方してもらいました。
ケトコナゾールは「男性型脱毛症診療ガイドライン(2010 年版)」にも育毛剤として取り上げられている抗真菌薬です。
1ヶ月ほど頭皮に塗ってみましたが、確かにフケは少し治まったようです。
しかし、劇的にフケが減少するまでに至りませんでした。
また、ケトコナゾールのにおいが気になってもいたので、使用を中断することにしました。
ホットタブで湯シャンを始めて以来、湯シャン後に頭皮のにおいが少しするようになりましたが、それが自然な感じで気に入っていたのです。ケトコナゾールを塗ると薬のにおいのほうが勝ってしまいます。
宇津木先生が「湯シャンを継続すればフケは適量になる」と書かれていたので、ケトコナゾールの力を借りなくても湯シャンを継続すれば、フケ症は改善できると思ったこともケトコナゾールの使用を中断した理由です。
湯シャンでフケが改善!
2016年11月に湯シャンを始めて2017年4月で5ヶ月になります。
この間、育毛の目立った効果は現れていませんが、フケ症は改善しています。
側頭部(2016年11月)
側頭部(2017年04月)
マイクロスコープで確認するとわかりますが、フケは側頭部に一番多く、目視できていた鱗状のフケはここから出ていたようです。
写真でも鱗状のフケが皮膚こびりついているのがわかります。「こびりついている」という表現は正しくないかもしれません。「角質層が不自然にフケになっていて、それがはがれ落ちずに皮膚上にとどまっている」というのが正確かもしれません。
5ヶ月後にはこの鱗状のフケがほとんど目立たなくなりました。写真でもフケでいびつだった皮膚の表面が滑らかになっているのがわかります。
宇津木先生が言われるようにシャンプーの成分で異常になっていた表皮細胞の入れ替わりが正常になったのでしょう。
また、ホットタブで湯シャンをすると、お湯だけで頭皮の皮脂や汚れがかなり落ちているのがわかります。
私はユニットバスのバスタブのお湯につかったまま湯シャンをしていますが、そうすると頭皮の汚れがバスタブのお湯の表面に浮かぶので、よく確認できます。
シャンプーの作用がなくなったのに加えて、ホットタブが頭皮の新陳代謝が正常になるように促しているのでしょう。
このように、私の場合5ヶ月の湯シャン継続でフケ症を改善することができました。
湯シャンでフケが増える?
湯シャンの継続でフケ症が改善されたわけですが、湯シャンを始めてすぐに効果が出たわけではありません。
むしろ鱗状のフケが目立つようになったのは、湯シャンを始めてからのような気がします。
おそらくシャンプーで洗い流せていたのが、流れなくなった結果、フケが目立つようになったのでしょう。
宇津木先生によれば、湯シャンで頭皮が健康になった結果、フケが大量に出ていた人は減っていき、ほとんどフケが出ていなかった人は逆にフケが少し増えたように感じるようです。
どちらにしてもフケが適量になるということです。
ほとんどの方が、フケが多いと、病的だと考え、少ないと安心しています。しかし、フケは多すぎても、反対に、少なすぎても、健康な状態ではないのです。
引用元:宇津木 龍一『シャンプーをやめると、髪が増える』
表皮の細胞が入れ替わっている限り古い細胞であるフケは出ているはずです。ですから多少のフケが出ることは正常なことなのです。
むしろ、フケをゼロにしようとシャンプーで強引に取り除こうとすると、頭皮の新陳代謝が乱れて、逆にフケが増える結果になったり、フケが減っても新陳代謝が低下した状態になる可能性が高いです。
ブラッシングでフケをとる
フケが出ること自体は正常なことでも、気になる場合もあるでしょう。エチケットとしても目立つようなフケはどうにかしないといけません。
そんな場合には、地道にブラッシングでフケを取るようにしましょう。
実際に私は鱗状のフケが出ていたときは、ブラッシングでフケを取っていました。朝、出勤前にフケが目立たなくなるまでブラッシングを繰り返すことで、特に問題を感じませんでした。
この時注意しないといけないのは、ブラシで頭皮をかかないことです。
フケが多いということは頭皮の角質層がフケになりやすいということなので、頭皮をかくとはがれていないフケまでもが取れて、新たなフケが生み出されることになります。
ブラッシングではあくまで髪についたフケを取るために、髪のみをとくようにします。
フケは必ずしも落とさなければいけないものではなく、表皮の一番外側でバリア機能の一端を担ってもいるのです。
むやみに頭皮をかいてフケを取り除くことは、皮膚のバリア機能を破壊することにもなります。
細かいフケは健康の証
宇津木先生が書かれているようにフケは多すぎてもいけませんがまったく出ないというのも不自然です。
健康な頭皮のフケは粉に近いくらいに小さめで、粒の大きさが均等です。反対に、不健康な頭皮のフケは、大粒でその大きさが不揃いです。
引用元:宇津木 龍一『シャンプーをやめると、髪が増える』
実際に、湯シャンを継続している人はブラッシング時に細かいフケが出るようです。
私も現在細かいフケが出ていますが、鱗状のフケが出ていたことと比べると髪についていても気にはなりません。気になってもブラッシングしたり、指で払えばすぐに取れるので問題ありません。
宇津木先生によれば、たいていは湯シャンを始めて4〜5ヶ月で皮脂の分泌量が落ち着いて、ニオイやベタつきが解消されて頭皮も健康な状態に戻るようです。
私の場合はまだ皮脂の分泌量は多いように思いますが、フケについては確かに改善されて頭皮の状態が良くなっています。
湯シャンを始めようと考えている人は、4〜5ヶ月をまずは目安としてみるのがいいでしょう。