湯シャンを実践する上ではブラッシングが重要になってきます。
私自身、今までブラッシングを気にしたことはありませんでしたが、実はブラッシングはシャンプーよりも重要なヘアケアの基本だったのです。
あなたはちゃんとブラッシングしていますか?
昔はヘアケアの基本はブラッシングだった
日本で毎日シャンプーするのが習慣になったのは1980年代からで、この30年ほどのことです。
それ以前はヘアケアをしていなかったのかというとそんなことはありません。
特に女性は昔から髪を美しくすることに注意を払ってきました。
ではどのようにヘアケアをしていたかというと「くしで髪をとくこと」、つまりブラッシングです。
艶を出すために油をつけたり、香で香りをつけたりもしたようですが、基本的にはブラッシングで汚れを取り、髪を整えていたようです。
ブラッシングの仕方
現在、私もブラッシングを毎日欠かさず意識して実践しています。
回数は毎日2回。起床後と入浴前です。
念入りに100回ほど髪をとかします。
ブラシングの目的は
- ホコリなどの汚れを取ること
- 髪を整えること
- 皮脂で髪をコーディングすること
- フケを適度にとること
といったところです。
1と2の目的も大切ですが、それ以上に重要なのが3の「皮脂で髪をコーディングすること」です。とかす回数が100回と多いのは、頭皮の皮脂を髪の毛先まで行き渡らせることが目的です。
皮脂で髪をコーディングすることで、自然と整髪力がつき、また髪もツヤが出て美しく丈夫になります。
私はフケが多いのでブラッシングである程度のフケをとるようにもしています。
といってもくしで頭皮をかくようなことはしないで、髪をとく際に自然にくしが頭皮にあたり、それで頭皮から離れて髪についたフケをくしですいてとる程度です。
ブラッシングは頭皮を刺激する、あるいは頭皮をマッサージするためには行いません。
頭皮を傷つける恐れがあるからです。
獣毛のくしがブラッシングには最適
ブラッシングで使うにはイノシシや豚などの獣毛のくしが最適です。
よくあるプラスチック製のものは静電気を起こして髪をいためる可能性があります。
またあくまで髪をすくのが目的なので、頭皮を刺激するような特殊な形状である必要もありません。
獣毛のくしはグラッグストア等で売っていますが、毎日使うものなので品質のいいものを選びましょう。
イギリス製の猪毛ブラシメイソンピアソンは少々高いですが、女性の評価が圧倒的なのでおすすめです。
公式サイトメイソンピアソン
皮脂で整髪力がつく
当然整髪料の類いもつけません。
ワックスなどの整髪料をつけてしまうとシャンプーで落とさなければいけなくなってしまいます。
整髪料なしでどうやってスタイリングするのかと心配になるかもしれませんが、皮脂で髪をコーディングすることで髪自体に整髪力がつくようになるのです。
実際に私はシャンプーをやめてからのほうが寝癖がひどくならなくなりました。
朝、起きて寝癖がついていたとしても、大抵の場合、ブラッシングすることで自然と整います。
これは髪をコーディングしている皮脂が自然の整髪剤の役割を果たしているからのようです。
また、私は現在入浴後にドライヤーで髪を乾かさずに、自然乾燥にしています。
それでも寝癖はひどくならないです。
関連記事ドライヤーで髪を乾かすのをやめてみる【自然乾燥を実践】
湯シャンをすると髪に皮脂が適度に残るようになるので、それが髪に寝癖がつくのを防いでいるようです。
皮脂が髪の毛にツヤを生み出す
ブラッシングによって皮脂を髪の毛に行き渡らせることで、整髪力がつくだけでなく、自然とツヤが生み出されます。
髪にツヤを出すためにはトリートメントが大事だと盛んに宣伝されていますが、トリートメントやコンディショナーにもシャンプー同様、界面活性剤や防腐剤が使われています。
当然、それらの成分は頭皮や髪には良くないものです。
関連記事リンスやトリートメントを頭皮につけてはいけない本当の理由
その証拠にどんなトリートメントやコンディショナーでも「頭皮につけないように!」と注意されています。
自分の頭皮から出ている皮脂は、自分の髪はもちろん、頭皮にも害は与えません。
皮脂は最も安心できるトリートメントでもあるのです。
シャンプーがスタイリングを損ねている
このように髪のスタイリングは、シャンプーをしなければブラッシングのみで十分可能なのです。
ロングヘアーの方は毛先に皮脂を届けるのが大変なので、刺激の少ないリンス(クエン酸など)を毛先のみにつける方法もありますが、髪をすく回数を多くすれば皮脂を毛先まで届けることも可能です。
よく映画等でロングヘアーの女性が何度も何度も繰り返し髪をすいているシーンがありますが、あんなに何度も髪をすくのはちょっと偏執狂的な癖で、実際には意味がないと私は思っていました。
しかしそれはとんでもない思い違いで、繰り返し髪をすくのは立派なヘアケアだったのです。
ブラッシングで重要なのは頭皮の皮脂を髪に行き渡らせることです。
そう考えると、トリートメントやワックスなどのスタイルング剤が必要なのはシャンプーをしているからだと考えることができます。
シャンプーをするとスタイリングに必要な皮脂が取り除かれてしまうからです。
シャンプーは頭皮の皮脂だけでなく、髪の毛の表面の油分も取り除いてしまいます。
そのために髪の毛の表面の保湿成分がなくなり、キューティクルが開いて髪の水分が蒸発してしまいます。その結果、髪がパサつき、まとまりが悪くツヤのない髪になってしまうのです。
トリートメントやスタイリング剤はシャンプーが髪に与えたダメージを補っているだけで、シャンプーをしなければ、髪はトリートメントなしでもツヤが出ますし、スタイリング剤なしでもまとまるわけです。
髪に余分なものをつけていないか
単に整髪のためでだけではなく、ボリュームアップのためにワックスを使用している人もいるでしょう。
しかし、いままで見てきたように髪にはブラッシングで皮脂を行き渡らせれば十分なので、極力余計なものをつけないほうが無難です。
以前は私も毛量を多く見せるために、ヘアスプレーを使用していましたが、今は使っていません。
使うとシャンプーで落とさなければいけないからです。
変わりに髪の長さを少し短めにして、ボリュームを出すようにしています。
髪は短くするとツンと立つようになり、逆にボリュームを出すことが可能です。
薄毛の状態で髪型を変えることは勇気が必要ですが、思っている以上に髪型はいろいろなことが可能なので、通っている理髪師や美容師に相談してみるといいでしょう。
ブラッシングで自分の本当の髪を取り戻す
湯シャンをすると自分の頭皮や髪のニオイに気づくことになります。
皮脂の分泌が多いと不快なニオイになりますが、分泌量が減ってくるとニオイはしますが決して不快ではありません。
人間も生き物である以上多少のニオイはするものです。
自分本来のニオイを受け入れられるようになると、シャンプーの香料のニオイのほうが不自然だったことに気づきます。
それと同じようにブラッシングのみのスタイリングは、確かにスタイリング剤を使ったときのようにきっちり決まるわけではありませんが、人間味があって私は気に入っています。
私たちの本来の髪はシャンプーやスタイリング剤を使わないといけないほど見栄えの悪いものではないのです。
シャンプーやスタイリング剤にごまかされて、自分の本当の髪を知らないでいるというのはさびしいことではないでしょうか?