成長因子療法

PRP療法には結局プロペシアが必要なのか?

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新しい育毛療法としてPRP療法が注目されています。

本当に効果はあるのでしょうか?

PRP療法とは

PRPとは血液を遠心分離機にかけて、血小板を濃縮した血漿(けっしょう)のことです。

血小板には身体組織の修復を促進する様々な成長因子が含まれています。

PRP療法とは自分の血液を採取して、そこから作成したPRPを注射などで再び体内に戻す療法のことです。

応用分野は幅広く、怪我の治療やシワ取りなどの美容目的にも使用されています。

有名なところでは、ヤンキースの田中将大選手が右ひじのじん帯損傷でPRP療法を受けています。

このPRP療法がアメリカで育毛にも応用され、一定の効果が出ているようです。

それを受けて日本でも、育毛を目的としたPRP療法が受けられる病院が増えてきています。

PRP療法の費用は?

PRP療法の費用を調べてみたところ、1回10万円前後というのが相場のようです。

問題は「何回受ける必要があるのか」ということです。

1回の注射で薄毛が完璧に改善されるわけではないようなので、様子を見ながら複数回受ける必要がありそうです。

仮に5回受ければ費用は合計50万円、1ヶ月に1回受ける場合は年間で約100万円必要になります。

ちなみにアキレス腱やじん帯の損傷場合、2〜4回受ける必要があるようですが1回の価格は2〜4万円という病院がありました。

また、美容外科でシワなどの治療用には複数回セットで40〜50万円という病院もありました。

同じ療法でも患部によって価格にばらつきがあるのは変な感じですね。

発毛した髪の維持にはプロペシアが必要?

1回10万円という費用は育毛法としては高額な部類になります。

それだけの金額をかける価値があるのか、よくよく考えないといけません。

注意しないといけないのは、PRP療法によって男性型脱毛症(AGA)自体が克服される可能性は低いということです。

PRP療法の効果は成長因子による発毛促進にあります。

男性型脱毛症はヘアサイクルが短縮されることで薄毛となる症状ですが、PRP療法はプロペシアのようにヘアサイクルの短縮のメカニズムに作用するわけではないのです。

ですから、PRP療法が上手くいって発毛の促進に成功しても、ヘアサイクルの短縮化が改善されなければ、発毛した毛も短いサイクルで抜けてしまうことが予想されます。

そこで考えられるのは、プロペシアとの併用です。

プロペシアは短縮されたヘアサイクルを正常に戻しますが、発毛を促進するわけではありません。

仮にプロペシアの効果があった人が、PRP療法を受けて発毛する毛の量が増えれば、その増えた分はプロペシアを飲んでいる限りはすぐに抜けることはありません。

PRP療法は単体ではなく、プロペシアの育毛を促進させる補助的な療法だと理解した方がよさそうです。

同じ発毛効果ならリアップの方が安い

プロペシアの併用というと、多くの人が実践しているのがリアップ(ミノキシジル外用)です。

ミノキシジルの効果も発毛促進ですので、PRP療法とミノキシジルとは大きなくくりでは同じ効果を持つことになります。

しかし価格はだいぶ異なってきます。

ミノキシジル5%配合のリアップX5プラスの価格は1本(60mL)税抜7,048円。1本は1ヶ月分ですので、月約7,000円かかります。

PRP療法1回分の費用10万円をリアップX5プラスの価格に換算すると、14本分になります(リアップの価格を税込で考えると13本分になります)。

PRP療法1回分 = リアップX5プラス14ヶ月分

PRP療法1回にはリアップX5プラス1年分以上の費用がかかるということですね。

効果の面で、1回のPRP療法がリアップを1年継続する以上のものがあるかどうかは疑問ですので、同じ発毛効果を期待するのならリアップのほうがコストパフォーマンスが優れています。

プロペシアとの併用であれば、プロペシア同様に継続できることが望ましいので、その点でもリアップのほうが有利ですね。

ただし、リアップの効果があらわれるのは最低でも4〜6ヶ月はかかるので、即効性が欲しいならPRP療法を考慮してもいいのかもしれません。

このへんは個人での判断になるでしょうね。

副作用はないのか?

PRP療法で用いられるPRPは自分の血液から作られているので、副作用の心配がないと言われています。

この点がPRP療法が注目されている理由の1つでもあります。

比較的新しい治療法なので、ある程度年数が経過しなければ、経年の副作用についてははっきりしないと思うのですが、プロペシアやミノキシジルのように副作用が報告されているものと比較すると副作用については今のところ安心していいようです。

リアップは割と高い割合で副作用が出るので、リアップで副作用が出ている人の代替療法として検討するのが妥当かもしれません。

また、PRP療法は必ずしも継続的に行う必要はないので、その点でも副作用の可能性は低くなるのだと考えられます。

新しい療法は試す前にまず調べよう

総合すると、PRP療法は男性型脱毛症(AGA)の場合、あくまでプロペシアの補助として考えるのがよさそうです。

PRP療法のみでは発毛効果は期待できるかもしれませんが、ヘアサイクルの短縮化を正常に戻す効果は期待できないでしょう。

PRP療法を検討する場合は「発毛したとしても、その毛をどのように維持するのか」という点を医師に確認するのが重要になります。

すでに「副作用の少ない画期的な育毛療法」として期待したけれども、思っていたよりも効果がなかったという声もネット上で見かけました。

当然PRP療法でも個人差はあるので、過度な期待は禁物です。

事前にある程度知識を持っていれば、過度に期待してしまうことも防げます。

今後はますます新しい育毛療法が出てくるだろうと予想されますが、新しい療法ほど事例が少ないので副作用やリスクを慎重に検討した上で選択しなければいけません

医師の説明だけで判断せず、自分でも調べて判断することが重要です。

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